1.決勝スタート

2017 オートポリス ゴールドカップ S-FJ シリーズ第 1 戦レースレポート

4 月に入ったにも関わらず、晴れと雨と雪と目まぐるしく変わる天候の中、開幕した 2017 オートポリスゴールドカップ S-FJ シリーズ第 1 戦。

初戦の参加台数は 13 台。 新レギュレーションによりノーマルエンジンに変更となり台数減少の心配がされたが、参 加台数も多く、パワーダウンでの悪影響も見られずひと安心といったところだろう。

そして WEST から新型の WEST-17J が公式戦初登場し、戦闘力がどれほどのものか注目が 集まった。 その新型 17J に乗るのは#27 中村玄。 「マシンは 11J よりもかなり乗りやすくなりました。ただドライバーが僕なんでどこまで タイムを出せるのか…問題はそこです。」と、少々弱気発言。

予選が始まる頃には気温はぐっと下がり 5℃。もちろん路面も乾くことなく難しいコンディ ションの中公式予選が始まった。 ここでトップタイムを叩き出したのは#56 川地欽也。2 分 11 秒 708 でポールポジションを 獲得。フロントローを獲得したのは昨年まで 86 レースをしていた#44 篠田義仁。2 分 13 秒 623 をマーク。#83 岡井貴経は、2 番手の篠田にコンマ 71 差及ばず 3 番手でのスタート となった。

天候は不安定なまま決勝のスタート進行が始まり、全車ウェットコンディションを見越し てレインタイヤで決勝に臨む。 が、スタート予定 10 分前くらいから、予想を覆し天気はみるみる内に回復し爽やかな青空 が広がった。それでも路面はまだまだウェット。レインタイヤで問題ない。その場にいた 誰もがそう思ったに違いない…。

オールレッドからブラックアウト。 ここでフロントローの篠田が絶妙なスタートを決めホールショットを奪い、後続を引き連 れて駆け抜け 10 周のスプリントレースの幕が開けたかに思えた。 が、スタートしてからわずか 1 分後にアクシデントは突如起こる。 2 ヘアで#63 長崎賢雄と#33TERUO が接触しクラッシュ。

すぐさま赤旗が振られ、レースは一時中断となった。 幸いにもクラッシュした両ドライバーは大事に至らずに済んだ。

5 分後に安全が確保され、フォーメーションラップからローリングスタート方式による再ス タートとなった。 トップの篠田はローリングスタートも難なく決め、トップのまま突き進んでいく。 しかし、天候が回復したと共に赤旗中断で濡れていたはずの路面が、予想以上に乾くのが 早く、レインタイヤにとって苦しい展開となった。 全車苦しいタイヤ状況の中、篠田をオーバーテイクしてトップに躍り出たのは川地欽也。

川地は周回を重ねる毎に後続車とのギャップを築いていき、2 位の岡井に 5 秒近くの差をつ け優勝。 「WEST の新型 17J も出てきましたが、旧型の 11J で下剋上を果たしますよ。」と闘志を 燃やしていた岡井は 2 位でチェッカーを受け、嬉しい S-FJ 初表彰台を獲得した。 4 番手まで沈んだ篠田は、追い上げてきた#27 中村玄と最後まで攻防戦を繰り返す。 しかしあと残り僅かのところ、最終コーナーで中村にインを刺され、最終的に 4 位でチェ ッカーを受け、初参戦初表彰台は叶わなかった。 前日の練習走行ではトップタイムを叩き出し、3 番手から追い上げを見せていた#88 中島功 であったが、スタート違反で黒旗を振られるも、気づかず走行を続けた為に不履行により 失格となり、4 位だった中村が繰り上がり 3 位を獲得。

ノーマルエンジンに変更となった今年。 心配されたパワーダウンによる弊害はなく、むしろ下のトルクが上がり、コーナーも以前 より攻めやすくなったとの声を多く聞いた。 そしてエンジンパワーがイコールコンディションになったことによりバトルも多くなって いくだろう…。 S-FJ にとって変革の年。今年のレースは今まで以上に熱いバトルが繰り広げられるに違い ない。