2015年オートポリス・ゴールドカップ第1戦

桜が咲き始めた上津江周辺オートポリス。同時にS-FJシリーズが開幕した。全12台が集結、今年は昨年の覇者・田崎貴英が抜けたため、シリーズチャンピオンは一体誰の手に! 開幕から興味ある争いとなった。「第1戦のみ参戦しました」と、王者・#57吉田宣弘の姿もあった。

朝方に降った雨が路面を濡らしたまま、予選が開始される。5周目まで吉田が2分6秒471でトップをキープ。吉田はチェッカーが出る前にピットへ。時間的にラストアタックという場面で、一気に#56川地欽也が2分5秒833を叩き出し、ポールを獲得する。2番手には#28吉元陵が0.148秒の差で吉田の前に出た。唯一、スリックタイヤで賭けをした#27中村玄だったが、これが裏目に出てしまい最後尾スタートとなった。

午後からの決勝。天候は完全にドライ状況となり、風は少しあるが真っ青な空の下での開催となった。ポールの川地が好スタートで、そのままトップで走行する。フロントロウからの吉元と吉田が並び、やがて吉田が2位へ浮上。オープニングで川地の背後に0.747秒差で迫ってくる。2周目で3番手を走行していた吉元がいきなりのスローダウン! ギアトラブルにより、無念のリタイヤとなってしまった。「後半に合わせたセッティングだっただけに、悔しいです」。序盤から接近戦と化していた川地・吉田だが、3周目の100Rで川地を捉え2ヘアで完全にトップとなった吉田。ここからトップ吉田はただ一人1分59秒台に乗せ単独走行へ。

中盤、川地のミラーに映りだしたのが#9佐野新世。約1秒まで接近してくる。川地と佐野の接近戦の後方では、もう1組がバトルを繰り広げていた。最後尾から5番手に浮上してきた中村に、ロードスターチャンピオンの経歴を持ち、デビュー戦でもある#8岡井貴経が離されまいと付いている。後半戦はこの2バトルの争いにギャラリーが湧いた。2位争いの川地VS佐野組は、100Rの速さが勝敗の分かれ目か、川地が一歩リードし順位をキープした状態。5位争いの中村は経験の差で一歩リードした状況か、岡井を巧みにブロックしていく。

2位川地に約10秒差のリードで吉田が優勝。続いて川地が1.67秒差で佐野の追撃を許すことなくゴール。4位に#38 Aaron May、最後尾から、そして岡井とのバトルを抑えた中村が約0.7秒差で5位のチェッカーを受けた。
 天候が午後からガラリと変わり、気温が高く水温やタイヤで苦労した選手が目立った。なお、吉田は現段階では開幕戦のみの予定であり、次戦のウィナーが非常に楽しみなオートポリス・S-FJシリーズの幕開けである。

優勝:#57 吉田宣弘
「余裕があるように見えたようですが、序盤は川地選手の速さに付いていくのが必死だったんですよ。熱の入ったタイヤがフィーリングが悪くて。明らかに川地選手が有利でしたもの。様子をうかがっていたけど、ちょっと焦りましたね。後半で勝負しようかと思ったけど、100Rで川地選手が一瞬ミスしたんでそこで抜きました。本当は57秒出したかったけど、今日はコンデションが悪すぎましたね(笑) 」

2位: #56 川地欽也
「スタートは我ながら抜群でしたね。リアがかなりきつかったので、吉田さんに付いていくのは厳しいと思ったので、今の順位をキープする方向に切り替えました。そしたらミラーに佐野選手が映ってきて。100Rでは自分のほうが速いと解ったので、ストレートで追いつかれないようにマージンを稼いでいました 」

3位:#9 佐野新世
「超オーバーで大変でした。金曜日にエンジンを乗せ換えて、それからなかなか自分のセッティングに出来なかった。暴れるクルマを何とかねじ伏せていた状態ですね。川地選手とほぼ同タイムだと解ってたので、なんとか抜きたかったんですが…とにかくドタバタなレースウィークでした 」

2015年 鈴鹿クラブマンレース Round2

3月28日、鈴鹿サーキット西コースで「2015 鈴鹿クラブマンレース Round2」が開催されました。開幕戦から約1ヶ月で第2戦とインターバルも短く、ドライバー、チームにとっては大変ですがこの2連戦がシリーズに大きく影響しますのでとても重要なレースです。

予選は10分間、ウエットコンディションの中行われました。

見事ポールポジションを獲得したのは平優弥選手、2番グリッドに八巻渉選手と続きます。

予選と比べるとやや雨脚が弱まる中でのレースとなりました。レースはポールポジションからスタートした平優弥選手が見事なスタートを切り130Rに先頭で入ります。一方、2番グリッドの八巻渉選手、4番グリッドの平木玲次選手がエンジンストールでスタートに失敗 して後方に下がります。平選手を先頭に、2番手に吉田雄作選手、濵野隆一選手、住山晃一郎選手と続きます。後方ではスタートで順位を落とした八巻選手がハイペースで濵野選手に迫るとあっさりと3番手に浮上。さらに前を走る吉田選手をオーバーテイクして2番手に浮上。八巻選手を追うように、同じく出遅れた平木選手も吉田選手、浜野選手をかわし3位に浮上。レース終盤は先頭の平選手に追いついた八巻選手、平木選手による壮絶な三つ巴のバトルが繰り広げられました。このバトルを制したのはスタートで出遅れた八巻選手、見事トップでチェッカーを受けました。2位には同じく後方から追い上げた平木選手が入り、平選手、住山選手、吉田選手と続きました。

2015年岡山チャレンジカップ 第1戦

岡山チャレンジカップ・S-FJシリーズ第1戦。3月だというのに、気温は真冬並みに低く冷たい雨が朝から降り続く。昨年より台数が減少したが、10台のS-FJが揃い踏みした。
 予選は四輪デビューの#58 大湯都史樹が、いきなりトップに躍り出る。4周を終えた時点で、昨年FJ1600からS-FJにスイッチした#2 兒島弘訓が、2分02秒421でトップに浮上。しかし翌周に再び大湯が2分01秒565と、唯一01秒台に乗せポールを獲得した。

午後15時を過ぎての決勝は、予選時よりも幾分弱くなっていたが、まだ雨は降り続く。路面は非常にリスキーな状態だ。気温も低いままなので、タイヤを温めるのに時間がかかるのは否めない。飛び出さず、完走するのが目標と語る選手が目立った。

注目されたポールの大湯はホイールスピンをさせてしまい、一歩出遅れた状態に。抜群のスタートを見せた3番手の#57吉田宣弘が、トップで1コーナーを駆け抜けていく。吉田の背後には、フロントロウからの兒島が迫っている。そんな両者の隙を突き、2コーナーでインを刺した大湯、ここでトップへ浮上しオープニングで2位の兒島に5.098秒の差をつけた。一方、吉田はWヘアピンの一つ目で、シフトロックしてしまいハーフスピンを喫し、リバース出来たものの3位へと後退してしまう。

大湯はこのレース、終始独走状態で最終的に2位の兒島に30.006秒の大差をつけ圧勝。2位兒島の後に、45.754秒差で吉田がチェッカーを受ける。4位に落ち着いた走りを見せた#7 バイエルン松尾が入り、5位にエンジンの不調を訴え、ピットスタートとなった#43 小川陽三が最後尾から健闘した。ウエットコンデションの中、各マシンのタイム差が目立ったレースであったが、第2戦目からは台数も増える様子。しかもドライになると、また状況も変わるであろう。

初参戦・初優勝を遂げた大湯は、この春より高校2年生の16歳。昨年、S-FJ界を賑わせた同シリーズの覇者でもある牧野任祐と同じルーニースポーツから参戦。次戦はこの勢いを止める者が誰なのか、このまま大湯の独壇場になるのか。今年も注目度の高い、岡山シリーズである。
【 優勝 】 #58 大湯都史樹
「スタートを決めて逃げる予定だったんですが、ホイールスピンをさせてしまい、アクセルを抜いたけれど、また踏み込んだ時にホイールスピンをしちゃって…… 2速からの発進になりました。かなり焦りました! でも落ち着かせて、吉田さんと兒島さんのバトルのインを突くことが出来ました。今日ですか? 乗りやすかったです! リアは滑っていたけど、その辺は気を付けて。雨は結構好きな方ですね。でも、ドライは接戦になると思うので、晴れてからが本当の戦いかなあと覚悟しています。実際、前日のドライでは、吉田さんを抜けなかったんです。今シーズン…… 全勝を目標にしています。夢は日本一で優勝、そしてゆくゆくはF1! 着実に結果を残し、ステップアップをしたいと思っています」

【 2位 】#2 兒島弘訓
「この結果は、めちゃくちゃ悔しいです。スタートは悪くなかったのですが、吉田さんに前に出られて、そのまま1コーナーをきついイン側にいるしかなくなってしまいました。序盤から大湯君に離され…… 周回ごとに3〜4秒の差をつけられているのが解りました。この路面で生き残れたのはよかったんですけど。予選からセッティングを変えて、結果的にそれが裏目に出てしまいました。自己ベストは更新出来ましたが、前との差が大きすぎて。4月までは何とか近づけるようになりたいです! 」

【 3位 】#57 吉田宣弘
「スタートは大成功の2速スタートでした! まともに1速では進まないと思い…… がしかし、2コーナーに行くまでには大湯選手に抜かれました。行き場がなかったので、行かせる(大湯選手を)しかなく。これはまずい、マシンの動きが自分の理想と全然違うと感じました。ここ岡山の雨のラインをまだ慣熟できてないので、走り込みが必要かな。いい勉強になりました。とにかくコースのライン取りが一番重要。雨の日の練習は必須ですね」