2015年岡山チャレンジカップ 第1戦

岡山チャレンジカップ・S-FJシリーズ第1戦。3月だというのに、気温は真冬並みに低く冷たい雨が朝から降り続く。昨年より台数が減少したが、10台のS-FJが揃い踏みした。
 予選は四輪デビューの#58 大湯都史樹が、いきなりトップに躍り出る。4周を終えた時点で、昨年FJ1600からS-FJにスイッチした#2 兒島弘訓が、2分02秒421でトップに浮上。しかし翌周に再び大湯が2分01秒565と、唯一01秒台に乗せポールを獲得した。

午後15時を過ぎての決勝は、予選時よりも幾分弱くなっていたが、まだ雨は降り続く。路面は非常にリスキーな状態だ。気温も低いままなので、タイヤを温めるのに時間がかかるのは否めない。飛び出さず、完走するのが目標と語る選手が目立った。

注目されたポールの大湯はホイールスピンをさせてしまい、一歩出遅れた状態に。抜群のスタートを見せた3番手の#57吉田宣弘が、トップで1コーナーを駆け抜けていく。吉田の背後には、フロントロウからの兒島が迫っている。そんな両者の隙を突き、2コーナーでインを刺した大湯、ここでトップへ浮上しオープニングで2位の兒島に5.098秒の差をつけた。一方、吉田はWヘアピンの一つ目で、シフトロックしてしまいハーフスピンを喫し、リバース出来たものの3位へと後退してしまう。

大湯はこのレース、終始独走状態で最終的に2位の兒島に30.006秒の大差をつけ圧勝。2位兒島の後に、45.754秒差で吉田がチェッカーを受ける。4位に落ち着いた走りを見せた#7 バイエルン松尾が入り、5位にエンジンの不調を訴え、ピットスタートとなった#43 小川陽三が最後尾から健闘した。ウエットコンデションの中、各マシンのタイム差が目立ったレースであったが、第2戦目からは台数も増える様子。しかもドライになると、また状況も変わるであろう。

初参戦・初優勝を遂げた大湯は、この春より高校2年生の16歳。昨年、S-FJ界を賑わせた同シリーズの覇者でもある牧野任祐と同じルーニースポーツから参戦。次戦はこの勢いを止める者が誰なのか、このまま大湯の独壇場になるのか。今年も注目度の高い、岡山シリーズである。
【 優勝 】 #58 大湯都史樹
「スタートを決めて逃げる予定だったんですが、ホイールスピンをさせてしまい、アクセルを抜いたけれど、また踏み込んだ時にホイールスピンをしちゃって…… 2速からの発進になりました。かなり焦りました! でも落ち着かせて、吉田さんと兒島さんのバトルのインを突くことが出来ました。今日ですか? 乗りやすかったです! リアは滑っていたけど、その辺は気を付けて。雨は結構好きな方ですね。でも、ドライは接戦になると思うので、晴れてからが本当の戦いかなあと覚悟しています。実際、前日のドライでは、吉田さんを抜けなかったんです。今シーズン…… 全勝を目標にしています。夢は日本一で優勝、そしてゆくゆくはF1! 着実に結果を残し、ステップアップをしたいと思っています」

【 2位 】#2 兒島弘訓
「この結果は、めちゃくちゃ悔しいです。スタートは悪くなかったのですが、吉田さんに前に出られて、そのまま1コーナーをきついイン側にいるしかなくなってしまいました。序盤から大湯君に離され…… 周回ごとに3〜4秒の差をつけられているのが解りました。この路面で生き残れたのはよかったんですけど。予選からセッティングを変えて、結果的にそれが裏目に出てしまいました。自己ベストは更新出来ましたが、前との差が大きすぎて。4月までは何とか近づけるようになりたいです! 」

【 3位 】#57 吉田宣弘
「スタートは大成功の2速スタートでした! まともに1速では進まないと思い…… がしかし、2コーナーに行くまでには大湯選手に抜かれました。行き場がなかったので、行かせる(大湯選手を)しかなく。これはまずい、マシンの動きが自分の理想と全然違うと感じました。ここ岡山の雨のラインをまだ慣熟できてないので、走り込みが必要かな。いい勉強になりました。とにかくコースのライン取りが一番重要。雨の日の練習は必須ですね」