2014年 スーパーFJ岡山チャレンジカップ 第5戦

すでにシリーズチャンピオンは、第4戦で 牧野任祐に決定しているS-FJ岡山。最終戦、早朝の雨は上がったが気温は低いまま。8時50分、予選が始まる。ここでも牧野が1分38秒583を刻み、終始トップタイムを譲らずポールを獲得する。2番手には片山義章、続いて福田詩久と続く。FJ1600は、タイトル争いがかかった兒島弘訓が1分44秒302で、総合でも9番手の位置につけた。

決勝は日差しがさす天候となった。全17台がグリッドに集結。シグナルが消え、フロントロウから福田が抜群のスタートを決めて、1コーナーをトップで周っていく。牧野がその背後に迫り、片山、吉田の順で2周目に突入した。福田も必死に順位を死守するが、ダブルヘアピンの1つ目で牧野がトップに浮上、そこから牧野は独走状態を形成する。2周目を終えた時点で、牧野、福田、吉田、片山、Aki Miyazaki、バイエルン松尾、山岸洋之の順に。牧野の独走に対し、2位争いが福田、吉田、片山となり、ワンミスが命取りという状態。福田がタイム的に少し有利か……吉田が片山を牽制する。吉田は片山を阻止しながらも、前を行く福田を抜きにかかろうとするが、あと一歩が届かない。
中盤に差し掛かり、5位争いのバイエルン松尾と山岸の接近戦が白熱していた。そのままチェッカーを受ければ、シリーズ3位となる山岸だが、少しでも順位をアップさせたいところ。両者の差は1秒以内、その背後には、Miyazakiも迫っていた。一方、トップ走行の牧野は、周回ごとに1〜2秒のリードを広げていき、周回遅れも出すほど。最終的に2位の福田に21.469秒もの大差をつけ、全戦ポール トゥ ウィンを成し遂げた。2位はそのままの順位を保った福田、3位に岡山初参戦の吉田が片山を阻止して、表彰台をゲットした。
シリーズ順位だが、2位に片山、5位争いをしてい松尾に一歩及ばず、6位チェッカーの山岸が、シリーズでは3位獲得としている。

FJ1600は、兒島が第3戦からの出場で、見事3連続優勝を飾ってシリーズチャンピオンを決めた。現在、ランキングトップの小川陽三は、オープニングでスピンを喫し、グラベルへ嵌ってしまった。復帰することが出来ずにタイトル争いから脱落、悔しい最終戦になってしまった。2位に竹野崇、3位に加藤洋一と続いた。

第5戦 優勝:S-FJシリーズチャンピオン #61 牧野任祐
「予選はフロントタイヤに熱が入らぬまま、終わってしまいました。あと2周くらいあったら37秒台に入れたと思います。スタートは普通にいったつもりでしたが、福田さんが速かったです! ブロックしようなんて思う暇なかったですね。なんとか今回、コースレコードを獲りたかったんですけど……(平川亮選手の記録を抜きたかった)。
1年間通して思ったことですか? 鈴鹿も厳しいけど、岡山も決して楽なサーキットじゃないかなと思います。結構走り込みました。でも最終的には日本一で勝たないと意味ないんで、来週はチャンピオンになります! (実際、12/7の日本一決定戦ではチャンピオンに輝きました) 」

第5戦2位 #51 福田詩久
「スタートは我ながら抜群でしたね。牧野選手のコントロール力に、どれだけついていけるかと思っていたのですが、2周しかもたなかった(苦笑) 2番手になって、後ろの二人がバトルをしていたので、その点は楽でした。ずっとミラーを見ながら、一定の間隔を保つようにしていましたし。岡山は来年も参戦予定にしています」

第5戦3位 #57 吉田宣弘
「予選はここ一番のアタックラップで、大失敗。想定よりも1秒遅かったです。まあ、練習不足ですね。決勝で、後ろの片山選手は何とか抑えられると思っていたんですが、前を走る福田さんはちょっと無理でした。スタートで一気に行ってしまおうと思っていたけど、ちょっと様子見。福田さんのあまりにも凄いスタートにびっくりして(笑) 岡山は楽しいコースだと思うので、また参戦したいですね」

第5戦 優勝:FJ1600シリーズチャンピオン #95 兒島弘訓
1位:シリーズチャンプ 兒島選手
「予選は路面温度が低くて納得いくラップが刻めなかったんですが、運よくポールを獲れてよかったです。決勝では路面状況も良くなり、スタートも満足できました。ただ、ラップに関しては前戦のほうが良くて……。微妙ですね(苦笑) 第3戦から参戦(四輪デビュー)したのですが、まさかのタイトル争いに絡め、この戦で優勝すれば……という可能性が出てきたので、ベストを持って挑みました! 本当に嬉しいです」
< 第5戦 2位:FJ1600 #60 竹野崇 >
「予選はセットが決まらず、路面が低かったのもあり苦労しましたが、なんとか自分の走りに持って行けたかなあと思いました。決勝はスピンして後退したのですが、なんとか怒涛の追い上げをして、ここまで上がれたのでよかったですね」

リタイヤ:(シリーズチャンプに絡んでいた) #43 小川陽三
「スタートは決まって“イケるな”と思っていたのですが、丁寧に走っていたのにリアがいきなり出てしまって……回ってしまいました。タイトルがかかっていたんで、いやはや予想もしない展開。欲張ってましたね〜、今日勝ってタイトル獲れたらいいな〜、なんて思ってたんで(笑) 来年,S-FJに代わると思いますが、頑張ります! 」

2014年オートポリス・ゴールドカップ第5戦

スーパー耐久レース最終戦と併催で行われた、ゴールドカップ・S-FJ/FJ1600第5戦。これまでの4戦、誰一人連勝者はおらず、今回第5戦でシリーズチャンピオンが決定する注目のラスト戦となった。#55 田崎貴英、#27 中村玄、#56 川地欽也、#26 吉元陵まで、チャンピオンの可能性が残っている。

土曜日曇り空の中、全車スリックで挑んだ予選は、一度もトップを譲らなかった#26 吉元陵が初のポールポジションを獲得した。だがフロントロウの#55 田崎貴英、#56 川地欽也、#88 池田雄太郎、#9 佐野新世、#38 AKI MIYAZAKIの6名が同じ2分フラット台に乗せ、1秒以内に迫る状態である。しかも明日の決勝は雨予想、予選後もセッティングに悩む選手が多く見られた。

決勝は翌日曜日の午前。予報通りの雨にガッツポーズ、そうでない選手と、ピットに微妙な空気が流れる。レインタイヤが新品・中古の選手に分かれていたのも、原因だろう。各車グリッドに着くころ、雨はほぼ止んでいたが路面はウエットだ。中古タイヤのP.P吉元は不安な表情を隠せない。シグナルが消え好スタートを見せた吉元は、オープニングで2番手田崎との差を1秒49とし、安定した走りを見せていた。少しずつ差を広げていく吉元だったが、3周目1コーナーでコースアウトを喫してしまう。何とか復帰できたものの、9番手まで後退。代わってトップに立った田崎、背後には川地が1秒311差で迫っている。だが、ここでもタイヤの新・古が選手に襲い掛かってしまった。4周目、川地がコースアウトで上位陣から脱落してしまう。シリーズチャンプが掛かっていた選手が、相次いで脱落……しかも中古タイヤ組であった。

中盤より、田崎は安定の走りを見せる。2番手の池田との差は4秒573。池田の後に中村が約7秒差といった間隔だ。その後も田崎は、池田を徐々に引き離していき、独走状態となっていった。
終盤まで、目立った順位の変動はなく、上位3台は2分08秒台で走行。そしてファイナルラップ、9番手まで後退した川地が07秒を叩き出し、ファステストを出すが序盤のコースアウトさえなければ……と惜しい場面も。
トップチェッカーをうけた田崎は、第5戦の優勝と2014年シリーズチャンピオンに輝き、二重の栄冠を勝ち獲った。2位は池田、3位は中村が入り、三島自動車が表彰台を独占、そして上位3者は新品タイヤ組。まさにタイヤの新・古が明暗を分けたといっても過言ではなかろう。唯一FJ1600で参戦の#41 寺島孝が、見事7位と健闘している。

第5戦優勝:シリーズチャンピオン #55 田崎貴英
「予選は全然ダメだったんですよ。全然乗れてなく、全てにおいてダメでしたね。でも、決勝はフロントロウからなので大丈夫かな、と。雨だったらぶっちぎりで行きますよ!(笑)」予選はまったく手応えのなかった田崎。
「明日は絶対雨になる! そう確信して、セッティングしました。それが当たりまして。前を走る吉元君は、中古タイヤながらも結構走れてるんで、ちょっと焦るほどでした。
2番手スタートが結果よかったかな。皆の動きを見ながら走れたし、自分のペースでマシンコントロール出来ましたから。予選と比べ、セッティングが抜群に決まっていたんです。中盤辺りから、後ろの池田君との差が少しずつ離れてきているのが判ったんで、落ち着いて走ればこのままいけるかな、と思いました。いや〜本当に嬉しいですね! 三島自動車の皆様、メカニック、そして家族。ここまで支えてくれて感謝感激です。もてぎでは、おじさんパワーで頑張ってきます! 」
第5戦2位: #88 池田雄太郎 (2009年度チャンプ)
「今回は、今年すべてのレースで初の参戦でした。S-FJになって、あまり雨は走った経験がないんですよ。タイヤは新品で本当によかった。セッティングはデータがないので、一か八かで行きました。勝てなかったのは自分の練習不足。次戦、乗れるチャンスがあったら、もっともっと頑張ります。今回乗るチャンスをくれた、三島さん、絹原選手、多くの方に支えられて参戦することが出来ました。感謝をこめてお礼を申し上げます。」
第5戦3位:シリーズ2位 #27 中村玄
「昨日の予選は、上位組に全然ついていけなくて、厳しいかな……と。しかし、決勝はメカニックさんのご提案で、素晴らしいセッティングにしてくれて、物凄く乗りやすいマシンになりました! パフォーマンス、全てがばっちりでした。今日のこの戦に新品タイヤを履かせてよかったです(久々の新品)。本当に今日は落ち着いて乗れました。前も見えていたし、離されないようにしていました。池田君との差が見えていたので、追いつかないまでも離されない感じで“これをキープしよう、ミスしないように” と思っていました。年間を通じて、上位陣についていけない自分がいましたが、皆勤賞で少しずつポイントを獲っていけたのが振り返ると良かったですね。来年も参戦予定です。」
第5戦8位 シリーズ3位 #26 吉元選手
「好スタート出来ましたが、中古タイヤというのがスタート前からの不安要素でした。雨は得意なので最初は行けるかも、と思ったんですが……やはりブレーキングで全くダメでしたね。いやな予感が当たりました。1コーナーで2回、2ヘアで1回、計3回もコースアウトしました(苦笑)。その都度なんとか復帰できたんで、1Pでも獲れてよかったです。しかしタイヤだけは悔やまれますね。今年はあまりレースに出れなかったけど、最後に自身初のポールが獲れて嬉しかったです。」

※ #26 吉元陵選手と#56 川地欽也選手は同ポイント。しかし、吉元選手に優勝経験があるため(上位順位者)同率にはならず、吉元選手が3位確定とした。

2014年S-FJ 富士シリーズ第5戦

予選・決勝 富士スピードウェイ 1LAP=4.563km 出走:14台


11月1日(土) 9時45分予選スタート
天候:曇 コース:セミウェット 気温:17℃ 湿度:73% 路温:15℃

日本一決定戦を除く今シーズン最後のシリーズ戦。セミウェットの難しい路面コンディションの中、大久保選手が今季自己最高の3番グリッドを獲得。長谷川選手が4番手に続き、決勝が期待される。草野選手も自己最高の7番グリッドを獲得する一方、神村選手は波に乗れず8番手に留まる。ポールポジションはシリーズランキングポイントリーダーの今井選手、2番手にはTakashi選手が続いた。

11月1日(土) 14時48分決勝スタート
天候:雨 コース:ウェット 気温:17℃ 湿度:77% 路温:17℃

3番手スタートの大久保選手は上位2台とともに好スタートを決め、ポールの今井選手、2番手Takashi選手、大久保選手が早くも先頭集団を形成して2コーナーへと駆け抜けてゆく。大久保選手は3番手ながらペースは速く、2番手を走るTakashi選手に再三プレッシャーをかけながらコカ・コーラコーナー〜ダンロップコーナーへ。ここでの進入でも激しいプレッシャーをかけるがパスには至らない。しかし、その後の13コーナーで外からオーバーテイク。2番手に浮上すると、そのままトップを狙いに行き、ホームストレートで水しぶきをあげながら1位今井選手の後ろにピッタリついて2周目の1コーナーへ。しかし、ここはパスできずに次のチャンスを伺う。

勢いの勝る大久保選手は今井選手を射程圏に捉えたままアドバンコーナーへ。ここで大久保選手は外から仕掛ける。大外から進入して今井選手の横に並ぶと、立ち上がりで完全に前に立ち見事1位を奪取する。その後は後続を引き離し、トップに立った2周目終了時点で早くも2番手今井選手に約2.5秒差をつけトップを快走。そのままトップでチェッカーを受け、自身初優勝を達成した。ポールの今井選手とのバトルを制したTakashi選手が2位で続いた。
4番手スタートから初の表彰台を狙う長谷川選手だったが、スタートを失敗。エンジンストールしかけてしまい、ストールこそしなかったものの12番手付近まで順位を落としてしまい、大きく出遅れてしまう。しかし、ここから長谷川選手が凄まじい追い上げを見せる。次々と前車をパスしていき、オープニングラップのプリウスコーナーで8番手にまでポジションを回復する。続く2周目の2コーナーで7位に上がると、ダンロップコーナー進入で神村選手の前に出て6位、さらにプリウスコーナーで5位に浮上する。
3周目、今度は4番手車両を捉えると、ダンロップコーナーで前車がややオーバーラン。労せずして4位に浮上する。そして5周目についに前を走る今井選手をパスして3位に浮上する。その後は大きく開いた2番手Takashi選手を逆転するまでには至らなかったものの、参戦1年目にして自身初の表彰台を獲得した。
神村選手はオープニングラップを6位で終えると、長谷川選手にかわされ順位を落としながらも、少しずつ順位を上げていき、レース終盤には今井選手とのバトルを制して4位に浮上、入賞を果たした。
草野選手はオープニングラップで10位まで後退してしまうが、1台ずつかわしていき着実に順位を上げていく。7位まで順位を取り戻していくと、10周目にはシリーズランキング2位の赤堀選手をパスして6位浮上、その後は赤堀選手に4秒差をつけてチェッカーとなり、自身初の入賞。アルビレックス・レーシング・チームは出場ドライバー全員が入賞を果たした。

2014富士Rd.5予選リザルト

2014富士Rd.5決勝リザルト